春畑セロリのワガママ部屋

湯布院〜阿蘇、ひとり旅は人と逢う

長崎への仕事にかこつけて、湯布院、阿蘇と遊んでしまいました。博多から「特急ゆふいんの森」で陸路、由布院駅へ。これがなんと、特急券を失くすという大チョンボのおかげで、取り直した座席が棚からボタモチの1号車1番。運転席の真後ろなのですね。特急列車はビュンビュン走るところが風情もへったくれもないんだけど、一番前の窓って、景色がゆっくり流れるでしょ。線路わきの菜の花や生垣や道端の洗濯物とかが、ゆっくり過ぎてゆく。私の大好きな、木と花と暮らしのある里の風景が満喫できて最高でした。木のぬくもりの車内もよかったけど、とうふまんじゅうも美味しかったなぁ。

湯布院では、絶対高くて泊まれないような宿を訪ねて、600円で日帰り入浴。それからブラブラと午後いっぱい散策して、そこここにある小さな美術館や博物館をいくつもハシゴしました。小さいとこって、オーナーの意思があふれてる。整然としていたり雑然としていたり。素人っぽかったり手作り感いっぱいだったり。そんなとこでオーナーや店番のオネエチャンを捕まえて罪のないオシャベリをするのが、また面白いんですね。ちょっとまたセロリ的拾い物をしたかもデス。
私を含めて女性3人しか泊まってなかったペンションでは、男女交替制の露天風呂を、一晩中占領して満喫。その同宿のご婦人二人は、スクエア・ダンスの競技会に遠征してきた帰りらしく、朝食のついでに、未知のダンス競技の話を聞きほじっちゃいました。
翌日は、1日かけて、湯布院から阿蘇、熊本、島原経由のバスで長崎へ。湯布院で乗ったときは、客はデカいバスに私ひとり。運ちゃんとおしゃべりしているうちに、黒川温泉で、この春、理学療法士になるという弱視の青年が乗車。ほぼスカンピンで、阿蘇のロープウェイの登り運賃しかないから、帰りは走って降りるというから、アンタ、身障者でしょ、しょうがない、就職祝いしてあげよう、ということで、300円カンパしました~。

旅は道連れの彼が熊本で降りてしまったので、ようやく一人旅かなと思いきや、熊本から、これまた一人旅のオーストラリア人の老婦人が乗車。なんと日本語はまったく話せないという。有明海ではバスごとフェリー乗船だから、待ち時間とかいろいろあるのに、ほおってはおけないですよね。というわけで結局、単語とジェスチャーと文脈めちゃくちゃの英語で、長崎までずっとオシャベリ。異文化に触れたくて、スニーカーとリュックで旅してるんですって。品の良いお顔立ちだったけど、どうみても70歳以上。シドニーのオペラの話とか、日本のキモノの話とか、話題も豊富で知的。その活力と好奇心の若々しさには敬服しました。長崎市内ではユースホステル泊とのことで、わかりにくい地図を片手に宿までお送りしたことはいうまでもありません。
短い旅ながら、なんてたくさんの人と話したことでしょうね。みんな名前も知らない人たちだけど、しっかり明日への活力もらいました。特にあのおばあちゃま。無事、南半球に帰ったかなぁ