春畑セロリのワガママ部屋
ラオス原風景の旅
ラ、ラオスしてしまいましたっ。
アフリカにくらべたら、なんて近いんだっ! それでも、直行便はないから、今回はバンコク経由。成田を昼に発ち、首都ヴィエンチャンに夜着いてみれば、これが、なんだか妙に懐かしい風景。不思議とブルキナファソの首都ワガドゥグの夜に似ているような気がする。そうだ。地球はひとつ!
なんて調子に乗ってる間もなく、そして首都の景色をのんびり眺める暇もなく、翌朝、いきなり南部地方の田舎に出発です。職業訓練センターで働く若い女性レーさんと一緒に、彼女の故郷を訪ね、村の生活を体験しようという、今回の目玉企画なのです(ほんとうは、機織り少女の北部の村への里帰りを応援するという企画だったんだけど、3日ほど前に突然、通過予定地域で銃撃戦があったことがわかり、急遽、武装地帯を避けて、南部に向かうことにしたのでありました)。
穏やかな車窓の農村風景は、アフリカから徐々に日本の田舎の風景に近くなり、オー、やっぱり地球はひとつじゃないか! などと言いつつ、カラフルな虫の空揚げなどをオヤツにいただいているうちに(といってもチャーター車で6~7時間あまり)、遠路、レーさんの生まれ故郷サワンナケートのバーン・ラハ・ナム村に到着しました。今宵は彼女のお姉さんの家にお泊りです。土の道、花あふれる木立、自然体で働く人々、きらめく川、夕陽に映える田畑、暮れなずむ高床式の家、あー、これぞ胸の奥の原風景!
もちろん風呂もシャワーもなく、庭には鶏や豚が散歩し、食卓はアウトドア。しかしお姉さんの心づくしの手料理は暖かく、しかし非常にカラく、しかし非常に美味しいのでありました。そして、その日の朝会うまで、まったく見知らぬ同士であり、言葉もほとんど通じず、年齢も職業も生い立ちも違うレーさんと、何のご縁か枕を並べ、お互いを見やっては「うふふ!」なんて、親友のように微笑みあって眠りにつくのは、小学生の林間学校みたいで、ちょっとくすぐったい、いい気分なのでした。
朝は、朝市に行くのよっ、早くしないと朝ごはんが売り切れるわよっと叩き起こされ、爆睡から目覚めた枕元では、すでに誰やら続柄のわからないオバサンが糸を紡いでるし、見知らぬオジサンが掃除してるし、見知らぬ赤ん坊が竹のゆりかごで泣いてるし、お寺の読経は鳴り響いてるし、朝市では、売り子の中に姉さんが座ってるし、ビニール袋に入れてもらった朝ごはんは、赤アリの卵(!)のスープだし。なんだかもう、わけもわからず、とにかく、すっかり村の子だよ。
と、まぁ、そんなステキな遠足からスタートしたラオスの旅でした。
世界遺産ルアンパバーンの街並み。農業学校のはにかみ屋の寄宿生たち。汗まみれで一緒に歌って踊って、そして小さな手で新年の幸福を祈ってくれた小学生たち。両親にひれ伏して詫びるという伝統の結婚儀式に招待してくれた若夫婦。騒々しくて敬虔なラオス暦のぶっちゃけ正月。そして、おっとりしてても案外頑固な、物静かなくせに妙に陽気な、そんなラオスの人々に、アジアの同胞を感じた日々でした。
そんなわけで。
ちょっと、脳みそが沸騰しちゃったので。
原稿待ちのみなさん、今は、使い物になりません。ハイ。アシカラズ。