春畑セロリのワガママ部屋

寝床引っ越し、続編

引っ越しをした最初の夜は、まだカーテンがなくて無防備な窓だった。なんだか貧乏臭い夜になるかと思いきや、最上階(といっても5階だけど)はバルコニーの屋根がないため、ベッドからいきなり空が見える……。満月が見える……。これはちょっと、砂漠のテントに寝ている気分だ。月のウサギの影が妙にエキゾチック。
そして、今までより少し狭くなった部屋は、最上階だから梁が斜め。こっちはちょっと、パリの屋根裏気分だ。
そしてそして、いつまでたっても片付かない段ボール箱の山に埋もれて寝ていると、まるで密輸船の貨物室に潜り込んでいるようなワクワク感。
そしてそしてそして、段ボール箱を右に左に動かしながら、どこに隠れているかわからない今日の必要グッズを探していくのは、まるでパズルのよう。かろうじて出てきたアイテムを組み合わせ、なんとか準備して地方出張に出かけていくのは、まるで脱出ゲームのようだ~~!

というふうに、不便をエンジョイさせてくれる超コンパクトな寝床部屋にくらべて、バスルームは極端にリッチ! 自動水はり、自動追い焚きの浴室アナウンスが「ピンボーン、お風呂が沸きました!」と深夜に優しく告げてくれるのが、哀しいような嬉しいような……。
そうかと思えば、逆開きのほうが便利としか思えないドアや、極端に奥行きのない冷蔵庫置き場や、間口が狭くて奥行きが遠~いゲタ箱などに、「これ、どう使うんや!」と突っ込みを入れながら暮らすのも、なかなかオツです。

なんといっても最高なのは、部屋にくらべたら贅沢に広いルーフ・バルコニー! これは気持ちいい! 朝日とともにヨガをし、午後の風とともに読書をし、夕焼けとともにグラスを傾け、星空の下で想いにふけるのだ。そりゃもう、素晴らしいの一言につきる。
……という生活を夢見ながら、積んだ段ボール箱に阻まれ、いまだにバルコニーの出口までたどりつけない日々なのである。

6月はバヌアツ・イベント決行。また若い仲間がたくさんできた。地底探検隊も順調。そしていまは、新しい執筆物の主人公、白菜教授の妄想と対話するという、極端に外向きで極端に内向きな毎日でもあるのです。