春畑セロリのワガママ部屋

ブラボー、タクシー・ドライバー

仕事先の京都で30分くらいタクシーに乗る機会がありました。運転手さんは、がっしりした初老の紳士で品の良い語り口。仕事先でチャーターしてくださったタクシーだったので、ホテルに横付けして荷物をトランクに入れた後、発進してから「……セロリ様ですね」と数回、品良く確認された^^。
それから30分、彼の京都談義は本当に面白かった! 観光案内ではない。話題が京都の豪族の話になったことから、私が「なぜ平安京はこの地に造られたんでしょうね」と質問したら、平安遷都のいきさつや人々の思惑、地名の由来などを、非常にわかりやすく明快な口調で講義してくれたのでありました。語りすぎず冗談めかさず堅苦しくなく情報はきっちり。あぁ、伝えるってこういうことだなぁ・・・! 教えるってこういうことかぁ・・・!
彼は九州出身で地元で仕事していたのだけれど、どうしても京都に住んで京都で働きたくて、脱サラしてタクシーの運転手になったのだとか。京都が第二の故郷なんでしょうねぇ。こういうふうに、心底きっちりと町を愛するって素敵なことだなぁ…と思ったのでした。
京都駅に着いて、彼はトランクから私の荷物を出し、まるで執事のように折り目正しい一礼をしてくれました。なんか、えらくかっこよかったなぁ。

その次の週、仙台では若手の指揮者さんの素敵な仕事ぶりに触れることができ、それもなかなかGood体験でした! みんないい仕事してるよなぁ。
私はといえば、地下で逃れられない締め切りにプレッシャーを感じながらも、こうして寝言を書いて逃避している次第。いろいろ考え込むことも悩ましいこともあって、このところどうも集中を欠いている。うんうん唸った末、音符でも文章でも、気に入った一節が浮かぶと「よしっ」とばかり上機嫌で隣のパン屋にレーズンチーズパンを買いに行ってしまう。そして、次のお気に入りの一節を生み出すまで、またうんうん唸りながら逃避の種を収集する……。という、誠にへタレな私なのでありました。