春畑セロリのワガママ部屋

フィジカル、メンタル、放浪の極み

郡上&高山以来、放浪づいてしまった今日この頃。7月はたった4日間の弾丸放浪で、フィンランドへ! 現地カウスティネンには1日半しかいられないという強力なスケジュールだったけど、かねてから行きたかった踊れや歌えの北欧系フォークミュージックの音楽祭を堪能してしまいました。
一人旅って、すぐ感想を言い合える人がそばにいないのはちょっと残念だけど、月並みな感想を言ってその場を盛り上げる必要もなく、いま体験していることとまったく別次元に思考が跳んでしまっても誰にも遠慮する必要がなく、めいっぱい勝手な受け止め方、広げ方をしても心苦しくなく、感動も無感動も笑いも泣きも自分流でよく、そのあまりの自由さが、やっぱりたまらない。
自分で決めて、自分で到達した旅程と、そこから得る数々の体験は、新しいエモーションの「獲得」といってもよいかもしれません。

フィンランドだけでも短くて濃い体験だったのに、月の後半はたった2時間の宮古。そして大雨の小樽。異常に短くて、異常に濃い時間でした。とくに宮古のうに丼と津波の爪痕は忘れがたく、そして宮古から札幌にいたるまでの3つのセミナーと長い長い列車の旅(祝・初青函トンネル)。シビれたス。

というきわめて印象的な旅が目白押しだったにもかかわらず、さらに衝撃的なメンタルの放浪にも出逢っちゃいました。音楽之友社主催ブルクミュラー・フェスティバル。この2日にわたるフェス本番も濃かったけど、その中で開催させてもらった自分のセミナーの新しい試みのために、女優・石野由香里さん、台本作家・ナカガワマサヒロさんと過ごした時間の濃さ、面白さったら。
このナカガワさんという人との出逢いは、ちょっと不思議な心の共通項から始まったのだけど(キーワードはバヌアツ)、なんというか、高山で知り合った放浪のガラス職人師匠にも似た佇まいを持ち、さらに内面の一部に白菜漫伍郎的な肌触りを秘めていて、なにしろ「変」な、着想の人なのである。

女優さんとのコラボ・ステージなんて、考えてみたら演奏家の仕掛け人となることの多い私が完全にパフォーマーに徹するという、普段あまりない体験だったのだけど、未熟なままで臨んだ本番(未熟だからこそ率直だった)の面白かったことといったら。。。 由香里ちゃんの怪演はもちろんのこと、聴衆のみなさんの感性に助けられたことは間違いない。耳を澄まし、感じ、考え、笑い、涙を流してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

コラボ年と位置づけた今年。
この8月頭に、奇しくもいくつものコラボが別々にスタートしそう。相手が違えば、それぞれに結果は色とりどりなはず。このたくさんの奇遇に、本当にただただ大感謝なのです。